犬が噛み付く理由と効果的なしつけ方法は?飼い主、先住犬など対象ごとの解決策も

目次
子犬の甘噛みが日に日にひどくなる、飼い主である自分に本気で噛み付く、なぜか家族の中で特定の人だけを噛むんだろう…。
このような愛犬の噛みつく行為に悩んでいませんか?
その行動には、本能やストレス、病気といった何かしらの理由が隠されています。原因さえわかれば、正しいしつけ方で改善できます。
この記事では、犬が噛み付く11の理由だけでなく、具体的なしつけ方を7つのステップで解説。さらに、子犬が先住犬に噛み付くケースや、危険な「本気噛み」などのシーンごとの対処法まで網羅しています。
ご自身と愛犬のためにも、少しでも気になる方はぜひ最後までご覧くださいね!
犬が噛み付く行動に隠された11の理由
犬が噛み付く行動は、決して理由がないわけではありません。その背景を理解することが重要です。
- 本能的な欲求
- 歯の生え変わりなど口の中の不快感
- ストレスや恐怖
- 飼い主への甘えや遊びでの興奮
- おもちゃなどを守るための防衛反応
- 一貫性のない誤ったしつけ
- 病気や身体の痛み
- 飼い主との信頼関係の不均衡
- 過去のトラウマ
- 強い葛藤状態
- 「噛めば嫌なことが終わる」という学習
理由1:本能的な欲求
犬にとって「噛む」という行為は、もともと持っている狩猟本能からくる自然なものです。特に子犬は、いろいろな物を噛むことで世界を学んでいきます。
理由2:歯の生え変わりなど口の中の不快感
子犬は歯が生え変わる時期(生後6~7ヶ月ごろまで)に、口の中にむず痒さを感じます。その不快感を解消しようとして、人の手や家具などを噛んでしまうのです。
理由3:ストレスや恐怖
引っ越しによる環境の変化や、運動不足、慣れない人からの接触など、犬はストレスや恐怖を感じると噛むことがあります。
理由4:飼い主への甘えや遊びでの興奮
飼い主さんにもっと甘えたい、あるいは遊んでいるうちに興奮しすぎて、つい力加減を間違えて強く噛んでしまうケースです。一度噛んだときに構ってもらえた経験があると、「噛めば遊んでもらえる」と学習してしまう可能性があります。
理由5:おもちゃなどを守るための防衛反応
自分のお気に入りのおもちゃや食べ物などを「取られてしまう」と感じたとき、それを守ろうとして防衛的に噛み付くことがあります。
理由6:一貫性のない誤ったしつけ
噛むことを許したり叱ったりと、家族の中で対応がバラバラだと犬は混乱します。その結果、「噛んでも大丈夫なんだ」と間違って覚えてしまうのです。
理由7:病気や身体の痛み
関節炎の痛みや皮膚炎の痒み、あるいは脳や内分泌系の疾患などが原因で、イライラして攻撃的になることも考えられます。急に噛むようになった場合は、病気のサインかもしれません。
理由8:飼い主との信頼関係の不均衡
犬は群れで暮らす動物なので、家庭内に頼れるリーダーの存在を求めます。飼い主さんをリーダーとして認められない場合、自己主張として噛む行動に出ることがあります。
関連記事:犬が寝る最適な場所はどこ?寝る場所からわかる愛犬の心理も解説!
理由9:過去のトラウマ
過去に人間から怖い思いをさせられた経験があると、特定の状況や人物に対して警戒心を抱き、噛み付くことで自分を守ろうとします。
理由10:強い葛藤状態
「ご飯を食べたいのに見られていて食べられない」「理不尽に叱られた」など、強い葛藤状態に置かれると、攻撃の引き金になることがあります。
理由11:「噛めば嫌なことが終わる」という学習
犬が嫌がっていることを無理やり続けようとしたとき、噛んだら飼い主さんがやめてくれた、という経験はありませんか。この経験は、犬に「噛めば嫌なことから逃げられる」と学習させてしまい、噛み癖を強化する原因になります。
【子犬・多頭飼い向け】噛み癖がひどい、先住犬に噛み付く場合の対処法
子犬の噛み癖は多くの飼い主さんが通る道ですが、特に多頭飼いの場合は注意が必要です。
子犬の噛み癖の特徴と原因
子犬の噛み癖の多くは、遊びの延長線上にある行動です。まだ社会性を学んでいる途中のため、遊びの加減がわからず、しつこく噛んでしまう傾向があります。
子犬が先住犬に噛み付く理由とは?
子犬が先住犬にじゃれるように噛み付くのは、多くの場合「遊ぼうよ!」という誘いのサインです。しかし、時には新しい環境へのストレスや、飼い主さんの愛情を独占したいという嫉妬心から攻撃的になることもあります。
先住犬との関係を良好に保つための対処法
もし先住犬が唸ったり吠えたりして明らかに嫌がっているサインを見せたら、飼い主さんが間に入ってクールダウンさせましょう。叱るのではなく、おやつで気をそらしたり、一時的に部屋を分けたりして興奮を落ち着かせることが大切です。
食事やおやつを与えるとき、褒めるときなど、何事も先住犬を優先することで、先住犬の心の安定につながります。
関連記事:犬の多頭飼いにおける3つの注意点とは?成功させるポイントも!
なぜ私だけ?犬が家族の中で噛む人と噛まない人がいる理由
「お父さんは噛まないのに、お母さんだけ噛まれる」など、特定の人だけ犬が噛み付くケースには、犬との接し方に原因が隠されていることが多いです。
- 噛んだ時に「遊んでくれた」と犬が誤解している
- 日常的に噛むことを許してしまっている
- コミュニケーションが不足している
- 特定の人が「叱る専門」になっている
- 犬の「やめて」のサインを読み取れていない
- 撫ですぎ・構いすぎで犬が不快に感じている
- 噛むことで飼い主をコントロールしている
噛んだ時に「遊んでくれた」と犬が誤解している
犬に噛まれたとき、「痛い!」と大きな声を出したり、大げさに騒いだりしていませんか。その反応を、犬は「喜んでくれている」「遊んでくれている」と勘違いしている可能性があります。
日常的に噛むことを許してしまっている
「今日は許すけど、明日は叱る」といった一貫性のない対応は、犬を混乱させてしまいます。結果的に「この人には噛んでも大丈夫」と、犬が自分に都合よくルールを解釈するため注意が必要です。
コミュニケーションが不足している
「もっと構ってほしい」という寂しさから、飼い主さんの気を引くために噛むことがあります。叱られるとしても、無視されるよりはマシだと犬は考えてしまうのです。
特定の人が「叱る専門」になっている
いつも同じ人ばかりが犬を叱っていると、犬はその人に対して警戒心や恐怖心を抱きます。その結果、自己防衛のために噛み付いて、その人から逃れようとすることがあります。
犬の「やめて」のサインを読み取れていない
犬は噛み付く前に、体の硬直や唸り声など、様々なボディランゲージで「不快だ」というサインを送っています。そのサインを見落としてしまうと、犬は「噛むしかない」と最終手段に出てしまうのです。
撫ですぎ・構いすぎで犬が不快に感じている
良かれと思って過剰にスキンシップをとると、犬にとっては「鬱陶しい」と感じられ、ストレスになることがあります。
噛むことで飼い主をコントロールしている
犬が噛むそぶりを見せたときに、飼い主さんが怖がって後ずさりしたり、要求を呑んだりすると、犬は「噛めば相手を思い通りにできる」と学習してしまいます。
犬の噛み癖を直すための正しいしつけ方 | 7ステップ
噛み癖を直すには、根気強いトレーニングが必要です。感情的にならず、一貫したルールで取り組んでみてください。
- 根本的な原因を探り、解決する
- 噛んでも良いおもちゃを与えて欲求を満たす
- 噛まれたら冷静に伝え、その場を離れる(無視)
- 「おすわり」などのコマンドでコントロールする
- 散歩や運動でストレスを発散させる
- 噛むものがない安全な環境を整える
- 家族全員で一貫した対応を徹底する
ステップ1:根本的な原因を探り、解決する
まずは、愛犬がなぜ噛むのか、その理由を突き止めることが最も重要です。ストレスが原因なら運動量を増やす、病気が疑われるなら動物病院へ行くなど、根本原因にアプローチしましょう。
ステップ2:噛んでも良いおもちゃを与えて欲求を満たす
「噛む」という本能的な欲求を無理にやめさせるのではなく、「噛んでも良いもの」を用意して、欲求を満たしてあげましょう。人の手はおもちゃではないことを教えるのが目的です。
ステップ3:噛まれたら冷静に伝え、その場を離れる(無視)
もし噛まれたら、感情的に騒がず、「痛い」と低い声で短く伝えます。そしてすぐにその場を離れて、しばらく愛犬を無視してください。「噛むと楽しい時間が終わる」と犬に学習させることが重要です。
ステップ4:「おすわり」などのコマンドでコントロールする
遊びの最中などに興奮してきたら、「おすわり」や「まて」といった指示を出して、一旦落ち着かせる習慣をつけましょう。興奮を自分でコントロールする練習になります。
ステップ5:散歩や運動でストレスを発散させる
運動不足はストレスの大きな原因です。散歩の時間を長くしたり、ドッグランなどで思い切り走らせたりして、エネルギーを発散させてあげましょう。
ステップ6:噛むものがない安全な環境を整える
噛まれて困るものは、犬の届かない場所に片付けておくのが基本です。噛む行動が癖になる前に、噛む機会そのものを減らす環境作りを心がけましょう。
ステップ7:家族全員で一貫した対応を徹底する
しつけで最も大切なのは、家族全員が同じルールで接することです。ある人は叱り、ある人は許す、という状況ではあまり効果がありません。
危険な「本気噛み」は徹底した環境作り&専門家へ相談
血が出るほど強く噛む「本気噛み」は、単なるしつけの問題ではなく、「治療」が必要な領域です。
まずは安全確保を最優先する
何よりもまず、これ以上誰も噛まれない状況を作ることが最優先です。犬の生活スペースと人の動線をパーテーションなどで区切る、室内でもリードを装着しておくなどの対策をとりましょう。
攻撃行動を繰り返させない環境作り
犬は噛む経験を重ねるほど、噛みやすくなると言われています。攻撃のきっかけとなる刺激(ケージの前を通るなど)を特定し、それを徹底的に排除する環境作りが必要です。
獣医師の診察を受ける(病気の可能性も)
本気噛みの背景には、てんかんや神経痛、ホルモン疾患といった身体的な病気が隠れている可能性があります。行動の治療を始める前に、必ず獣医師による身体検査を受けましょう。
薬物療法も選択肢の一つ
恐怖や不安が極度に強い場合は、精神状態を安定させる薬を使うことで、行動修正のトレーニングが進みやすくなることがあります。
専門家に相談する
本気噛みの治療には、高度な専門知識が不可欠です。飼い主さんだけで抱え込まず、獣医行動診療科認定医や経験豊富なドッグトレーナーといった専門家に相談するようにしましょう。
逆効果!噛み癖を悪化させるやってはいけないNGなしつけ方
良かれと思ってやっていることが、実は噛み癖を悪化させているかもしれません。
- 体罰で叱る:叩いたり怒鳴ったりするしつけは、犬との信頼関係を壊すだけです。恐怖から、さらに噛み付くようになる危険性があります。
- 噛む要求を叶える:噛まれたからといって、おやつをあげたり遊んであげたりすると、「噛めば良いことがある」と学習してしまいます。
- フードを取り上げる:食事中に噛まれたからとフードを取り上げると、食べ物を奪う敵だと認識され、余計に攻撃的になる恐れがあります。
まとめ
犬の噛み癖には、子犬の甘噛みから成犬の本気噛みまで、様々な原因が考えられます。その背景には、遊びや興奮、ストレス、病気、飼い主さんとの関係性など、多様な要因が考えられます。
特に血が出るほどの本気噛みは、しつけの範疇を超えた「治療」が必要な問題行動です。飼い主さんだけで解決しようとせず、必ず専門家に相談し、安全を確保しながら適切な対応をとることが重要です。
犬にはそれぞれ個体差があるため、ここまで紹介した改善方法が全ての犬にベストな選択肢というわけではありません。
そのため、あなたの愛犬がなぜ噛むのか、その原因と向き合い、根気強く一貫した態度で接することが、信頼関係を再構築し、噛みつき行動を改善するための大切なポイントです。
犬が噛み付く問題に関するよくある質問
犬に噛まれたら無視したほうがいい?
はい、遊びの延長で甘噛みされた場合は、冷静にその場を離れて無視するのが効果的です。「噛むと楽しいことが終わる」と犬が学習し、望ましくない行動が減っていきます。
犬に噛まれやすい人の特徴は?
犬が噛んだときに大声で騒ぐ人、しつけに一貫性がない人、犬が嫌がるサインを読み取れない人などが挙げられます。犬に「この人はコントロールできる」と思わせてしまう接し方が原因になることがあります。
犬が本気で噛み付くのはなぜ?
強い恐怖やストレス、縄張りや所有物を守るための強い防衛本能、あるいは身体的な病気や痛みが原因となっていることが多いです。遊びの甘噛みとは根本的な動機が異なります。
犬が噛んだらどうしつけるのが正解?
まずは噛む理由を見極めることが大切です。遊びや興奮が原因なら、おもちゃを使ったり無視をしたりする方法が有効です。しかし、恐怖や不安が原因の場合は、その原因を取り除き、安心できる環境を整えることが先決です。本気噛みの場合は、自己判断せず専門家に相談しましょう。
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