実は子犬時代も憶えている?犬が得意な記憶と苦手な記憶
目次
犬と一緒に暮らしていると、犬の記憶力ってどうなっているのだろう?と不思議に思うことがありますよね。散歩中に一度だけ見つけた拾い食いの場所をいつまでも憶えていて探そうとしたり、かと思えば、しつけをしようと何度も繰り返し教えても一向に憶えてくれなかったり。
実は犬には得意な記憶と苦手な記憶があります。その仕組みを知っていると、憶えてほしいことを負担なく教えられたり、トラウマになりそうな出来事を忘れるのを手伝ったりできます。
この記事では、犬の記憶のメカニズムを徹底解説。
・犬はすぐ忘れるってほんと?
・犬の記憶のしくみって?
・犬のしつけに必要な記憶方法は?
・犬は思い出を共有できる?
・犬はトラウマを克服できる?
犬の記憶に関する知識を知って、より楽しく幸せな愛犬との暮らしを手に入れましょう。
犬が得意な記憶、苦手な記憶
長い間、犬は人よりも記憶力が低いと言われていました。けれども実際に犬と暮らしていると、「犬は人よりも記憶力がある」と感じる場面も多いではないでしょうか?実は犬には、記憶の種類によって得意なものと苦手なものがあるのです。
たった10秒で忘れちゃう?犬は短期記憶が苦手
記憶は憶えている時間の長さによって、短期記憶・長期記憶の2つに分類されます。短期記憶とは、十数秒から数十分という短い時間だけ憶えていられる記憶のこと。例えば、私たち人間も、短い言葉や数字を暗記しても、翌日にはまったく記憶に残っていないということがありますよね。これが短期記憶です。
実は、犬の短期記憶の時間は人よりずっと短く、数秒から10秒程度だと言われています。留守番中の犬がトイレを失敗した時に、飼い主さんが帰宅した後で叱っても失敗を繰り返すのはこのためです。犬はトイレを失敗した記憶が残っていないため、「理由はわからないけど、飼い主さんが怒っている」と感じているのです。
そのため、叱ったり褒めたりするなら短期記憶が残っている数秒の間、つまり犬が行動した直後でしか伝わりません。おしっこのついたマットや床のニオイを嗅がせて怒る飼い主さんもいますが、記憶が残っていない時には逆効果です。犬がおしっこ=怒られると認識して、隠れておしっこをするようになってしまう可能性もあります。
時間がたってからトイレの失敗に気づいた場合は、すみやかに片付けることが重要です。ニオイが残っていると、同じ場所で失敗を繰り返してしまう可能性があります。ニオイが残らないようにキッチリ消臭、掃除をしましょう。
10年ぶりでも飼い主がわかる!犬は長期記憶が大得意
一方、犬は長期記憶が大の得意です。犬の長期記憶を物語る印象的なエピソードをひとつご紹介しましょう。
盲導犬候補の子犬は、パピーウォーカーと呼ばれるボランティア家庭で、家族の一員としてたっぷりの愛情を注がれて育ちます。そして1歳になるとパピーウォーカーと離れ、トレーニングをして新たな飼い主の元で盲導犬として暮らします。その間は、パピーウォーカーと再び会うことはありません。
あるテレビ番組で、盲導犬を引退した犬がパピーウォーカーと再会する様子が放送されました。シニアになった元盲導犬は、パピーウォーカーの姿を一目見た途端、まるで子犬に戻ったように喜びました。長い期間会えなくても、大好きな人たちの記憶は色褪せずに盲導犬の記憶に刻み込まれていたのです。
さらに、家に入った盲導犬は、子犬の頃に遊んでいたおもちゃを大事そうに運び、「遊ぼう!」と誘っていました。おもちゃや家の配置など、その当時の記憶がハッキリと残っていることを裏付けるエピソードです。
犬も家族との思い出を憶えている・エピソード的記憶
記憶の種類のひとつに、エピソード的記憶があります。エピソード的記憶の特徴は、たった1回のできごとでも気持ちが大きく動けば記憶に深く刻まれることです。愛犬と一緒にお出かけした場所を再訪すると、「ここ知ってるよ!」と言わんばかりに行動することがあります。それは、愛犬にとってそのお出かけがとても楽しい思い出として記憶に残っているからです。
仲良しの犬の飼い主さんからおやつをもらった後、その飼い主さんを見かけると「おやつちょうだい!」と甘えてみせるのもエピソード的記憶。短期記憶は苦手な犬ですが、印象的な出来事は1回だけでも強く記憶として定着するのです。
愛犬と一緒に旅行へ行ったりお出かけしたり、そんな特別な1日の思い出も、愛犬と飼い主さんとで共有している可能性が大きいということです。
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接触冷感素材のひんやり感と抗菌・防臭加工、お出かけ先にも持ち運べる便利なステイマットです。綿シートを挟んでふんわりと仕上げているので、車の中やカフェなどのお出かけ先でも快適に過ごせます。
エピソード記憶では、「楽しかった・嬉しかった」などのポジティブな記憶だけでなく、「怖かった・嫌だった」などの感情も残ります。例えば、注射やシャンプーなどが苦手な犬が、動物病院やトリミングサロンに入るのを嫌がるのはこのためです。
「苦手」「怖い」などネガティブな思い出になりそうな時には、たくさん褒めてあげる、オヤツをあげる、安心できるように抱っこしてなでであげるなど、愛犬に寄り添いポジティブな出来事をセットにしてあげましょう。
犬はポジティブな記憶を忘れにくい
犬はポジティブな記憶の方が強く忘れにくいと言われています。大好きな飼い主さんがうっかり尻尾を踏んでしまっても、それを記憶して飼い主さんを怖がったりしませんよね。飼い主さんと犬との間には毎日のポジティブで幸せな記憶が積み重なっていて、それを忘れないからです。
愛犬と過ごす時間をたくさんの「嬉しい」「楽しい」で満たしてあげれば、少し嫌なことがあってもリカバーできます。予防注射などのどうしても避けて通れない苦手なことも、幸せな時間をたくさん過ごしていればストレスが最小限で済むでしょう。
犬の記憶力と五感の関係を知ろう
このように、犬の記憶には感情が深く関わっています。その感情を動かすための情報はなにから得ているのでしょう。
人間が情報の大部分を視覚から得るのに対し、犬は視覚から情報を得るのはたったの2割程度と言われています。ではなにで情報を得ているかというと、主に嗅覚と聴覚を使って物事を判断しています。つまり犬の記憶に大きく結びつくのは見えているものより、ニオイと音の役割が大きいのです。
一方で、犬には飼い主の表情の変化を読み取る能力があります。飼い主の表情の変化が記憶に密接に結びついることもわかっています。視覚からの情報が少ない中で、飼い主の感情(表情)が記憶に影響を与えているのは愛おしいですね。
犬は嗅覚と聴覚が記憶を呼び起こす
愛犬と一緒に出かけるとしましょう。飼い主は主にその場所を景色や愛犬の様子などの視覚で記憶に刻みますが、愛犬は主にニオイで記憶を残します。ニオイの記憶が飼い主さんと過ごした楽しい思い出と結びつくことで、久しぶりに訪れても「あの楽しかった場所だ」と思い出すのです。
記憶の方法こそ違いますが、飼い主と犬は一緒に出かけた旅行やお出かけの思い出を共有しているというわけです。なんだか嬉しくなりますね。
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「飼い主を忘れちゃった」ように見えるにはなぜ?
長く入院していた飼い主さんが退院して愛犬と再会した際、まるで知らない人に会ったかのような反応をする犬がいます。その理由は、大きな病気をして痩せてしまったり、車椅子を使用するようになっていたりなどの視覚的な違いではなく、薬品のニオイに反応しているためではないかと言われています。
「愛犬に忘れられた?」とショックを受けるかもしれませんが、嗅覚による情報で犬も混乱しています。飼い主としては、久しぶりの再会でテンションが上がっていると思いますが、このような場合には無理なスキンシップは我慢しましょう。
聴覚による記憶を刺激するため声かけをしてあげたり、病院へ持っていっていない洋服を羽織って嗅覚による確認をフォローしてゆっくり待ってあげましょう。
犬の記憶力を理解すると可能性が広がる
犬は人間のように言葉で記憶するのではなく、感情から記憶する部分が大きいためエピソード記憶を上手に使って接してあげましょう。
犬に負担のないしつけができる
例えば、リードを持つ=大好きな散歩というエピソード記憶は、毎日の繰り返しの中で刻まれ定着します。リードを持っただけで嬉しそうな様子をみせる犬が多いのはこのためです。
このように、犬が「嬉しい」「楽しい」と感じることを繰り返せば、自然に犬の記憶に刻まれます。なかでもオヤツは、嗅覚と味覚から感情が動き記憶となるため、長期記憶しやすい有効な方法です。褒めてもらえる・おいしいオヤツがもらえると思えば、犬は自らその行動を繰り返すようになるでしょう。
嫌な記憶をぬりかえてあげられる
人間はネガティブな思い出をなかなか忘れられませんが、犬は現在の状況を受け入れる能力が高く、必要に応じて忘れたり記憶を上書きできます。
過去に怖い思いをしたから動物病院が苦手というように、嫌な記憶とセットになって特定の場所や人が苦手になってしまった場合でも、その記憶を良い感情で上書きるのです。動物病院へいくと特別なオヤツがもらえるなど、新しく嬉しい経験を繰り返すことで苦手な物や場所を克服できるようになる可能性があります。
劣悪な環境下で飼われていた保護犬が、新しい飼い主さんの元で愛情を注がれて暮らすようになると、つらい記憶が上書きされます。保護犬たちが、新しい家族と幸せな暮らしができるのは、この能力が大いに役に立っているのです。
ただし感情の伴う長期記憶を改善するには、あせりは禁物です。長い目でみながら嬉しい時間を増やし、犬のネガティブな記憶をハッピーな時間に上書きしてあげましょう。
愛犬と一緒に思い出をたくさんつくろう
実は、犬の記憶力に関する研究はまだはじまったばかりです。「この思い出、愛犬も憶えているのかな?」「万が一、ずっと会えなくなったら私のこと忘れちゃうのかな」そんな疑問の答えは、まだ正確にはわかっていません。けれども犬たちの様子をみていると、私たちが想像するよりも、記憶に関する能力は高いと感じるのではないでしょうか。
愛犬と出会ったことで「豊かな人生になったなぁ」と、しみじみ感じる飼い主さんも多いでしょう。それはきっと、愛犬にとっても同じことです。楽しい出来事や大好きな人を長期間憶えているからこそ、愛犬の毎日をたくさんの楽しい・嬉しい思い出で彩ってあげましょう。
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■参照■
Recall of Others’ Actions after Incidental Encoding Reveals Episodic-like Memory in Dogs
情報処理学会インタラクション2022「犬が記憶をよびおこすきっかけとなる感覚の検証」
京都大学 認知的メタプロセスの進化と発達
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