犬のおやつの量は1日どれくらい?適量と回数・あげ過ぎがNGな理由
目次
「うちの子、おやつをあげすぎかも」と不安になる飼い主さんは多いものです。結論から申し上げると、犬のおやつの量は「1日の総カロリーの10%以内」が基本の目安となります。
この記事では、計算が苦手でも使える体重別の適量をすぐ確認でき、「量より回数」という考え方や、あげすぎが招く病気・寿命への影響までわかりやすく解説します。適量さえ守ればおやつは愛犬との毎日を豊かにする味方なので、おねだりに負ける自分を責めず、今日から無理なく続けられる付き合い方を見ていきましょう。
犬のおやつの適量|1日の総カロリーの10%まで
愛犬におやつをあげるとき、つい「これくらいなら大丈夫かな」と感覚で決めていませんか?犬のおやつの量には、はっきりとした目安があります。それは1日に必要な総カロリーの10%以内です。難しい計算はあとで紹介しますので、まずは「主食が9割、おやつは1割まで」とざっくり覚えておきましょう。この1割を超えなければ、おやつは愛犬の毎日を楽しくする存在でいてくれます。
おやつ量の早見表【体重別】
「カロリー計算」と聞くと、身構えてしまう飼い主さんもいるかもしれません。そこで、避妊・去勢を済ませた成犬を想定した、おやつ量のおおまかな目安を表にまとめました。あくまで出発点として使ってください。
| 体重 | 1日に必要なカロリーの目安 | おやつの上限カロリーの目安 |
| 2kg | 約190kcal | 約19kcalまで |
| 3kg | 約255kcal | 約26kcalまで |
| 5kg | 約375kcal | 約37kcalまで |
| 10kg | 約630kcal | 約63kcalまで |
| 15kg | 約855kcal | 約85kcalまで |
| 20kg | 約1,060kcal | 約106kcalまで |
カロリーをグラムに置き換えると、量の少なさに驚く人もいるでしょう。たとえば100gあたり約300kcalのジャーキーの場合、体重5kgの子に与えられるおやつ37kcalは、およそ12gです。小さめのジャーキー1〜2本ほどで上限に届く計算になります。
犬は体が小さいぶん、ほんの少しのつもりでもカロリーが過剰になりやすいのです。「思っていたより少ない」と感じた方は、知らないうちに与えすぎていた可能性があります。
10%ルールの簡単な計算手順
もう少しきっちり知りたい場合は、以下の3つのステップで計算できます。(参考:【解説】痩せられない?犬・猫の体重の減らし方 – 21動物病院 -おおたかの森)
- 安静時に必要なエネルギー量(RER):計算式は「70×体重(kg)の0.75乗」です。0.75乗は、ルート機能つきの電卓を2回使うと出せます。
- 1日に必要なカロリー(DER):RERにライフステージごとの係数をかけて、1日に必要なカロリーを出します。避妊・去勢済みの成犬なら、係数はおよそ1.6が目安です。
- DERの10%がおやつの上限:たとえば体重5kgの成犬なら、RERが約234、DERが約374kcal、その1割の約37kcalがおやつの量というわけです。
※子犬や活動量の多い犬、シニア犬では係数が変わりますので、数字はあくまで目安として受け止めてください。
おやつをあげた日はごはんを少し減らす
ここで見落としがちなのが、おやつもれっきとした「1日のカロリー」の一部だという点です。いつもどおりのごはんに、おやつをそのまま上乗せしてしまうと、それはカロリーオーバーに直結します。
おやつを10%与えるなら、その分だけ主食を1割ほど減らして調整しましょう。足し算ではなく引き算をして、はじめて10%ルールは完成します。
犬のおやつは「量より回数」?
「たくさんあげるより、こまめにあげたほうがいい」という話を聞いたことはありませんか?実はこれ、半分は正解で、半分は注意が必要です。健康面の土台になるのはあくまで1日の総量(カロリー)ですが、犬の満足度という点では回数がものをいいます。どちらか一方ではなく、両方をうまく組み合わせるのが、いちばん賢い付き合い方です。
回数が増えるほど太りやすくなる
犬は、もらった量よりも「もらえたこと」そのものに喜びを感じる動物だといわれます。裏を返せば、1回あたりを小さくしても満足してくれるということです。ところが、回数を増やすときに1回分を減らさないと、合計はどんどんふくらみます。
小さなかけらでも、5回6回と重なれば立派なカロリーになります。空腹の時間が短くなると血糖値の変動もゆるやかになり、脂肪をためこみにくいという利点もあります。回数を増やすなら、1回分をしっかり小さくするのが鉄則です。
おねだりに応えるほど要求がエスカレートする
おねだりに毎回こたえていると、犬は「鳴けばもらえる」と学習します。これが習慣になると、要求はだんだん強くなっていくものです。かわいい顔に負けて差し出したひと口が、結果として愛犬を太らせてしまうのは、よくある流れでしょう。
心を鬼にする必要はありませんが、「いつでももらえるわけではない」というリズムは保ちたいところです。応えない時間があるからこそ、もらえたときの喜びも大きくなります。
1日2〜3回・少量に分けるのがおすすめ
1日の上限カロリーの範囲内で、2〜3回に分けるくらいがちょうどよいバランスです。しつけのご褒美に使うなら、1粒は小指の爪の半分ほどで十分に伝わります。犬はほとんど噛まずに飲み込むので、大きくても小さくても食べる喜びはほとんど変わりません。だからこそ小分けが効くのです。
食事の回数や与え方そのものを見直したい方は、犬の食事の回数の考え方もあわせて参考にしてみてください。
おやつのあげすぎによる犬の病気は?
おやつそのものが悪者なわけではありません。問題になるのは「あげすぎ→肥満→病気」という流れです。日本では動物病院を訪れる犬の半数以上が肥満ぎみともいわれ、決して人ごとではない数字です。
肥満から広がる病気の連鎖
体に脂肪がつきすぎると、さまざまな病気のリスクが連鎖的に高まります。代表的なのが「糖尿病」です。内臓まわりの脂肪が増えるとインスリンの働きが鈍くなり、血糖のコントロールがうまくいかなくなります。心臓は重くなった体に血液を送り続けるために働きづめになり、循環器への負担が増えていきます。
小型犬に多い気管虚脱のような「呼吸器のトラブル」も、脂肪による圧迫で悪化しやすくなります。肝臓に脂肪がたまれば「脂肪肝」になり、免疫の力が落ちて「感染症」にかかりやすくなることもあります。こうした肥満が引き起こす病気については、動物病院のコラムでも詳しく解説されています。
内臓・歯・お腹への負担
病気のリスクは内臓だけにとどまりません。増えた体重は関節や背骨にのしかかり、「関節炎」や「椎間板ヘルニア」の引き金になります。ミニチュア・ダックスフンドやウェルシュ・コーギーなど、もともと腰に負担がかかりやすい犬種では特に注意したいところです。
糖分の多いおやつは歯の汚れや「歯周病」の一因にもなります。脂っこいおやつが続けば、「膵炎」のようにお腹に関わる病気のリスクも見過ごせません。さらに、太った体は手術のときの麻酔リスクまで高めてしまいます。ひとつの肥満が、思いがけず広い範囲に影響するのです。
おやつのあげすぎで早死にするのは本当?
「おやつをあげすぎると早死にする」、そんな言葉を見て不安になった方もいるでしょう。結論から言えば、過度に脅える必要はありません。ただし、肥満が寿命に影響するのは事実です。
肥満と寿命のデータ
ラブラドール・レトリーバー48頭を生涯にわたり追跡した研究では、食事のエネルギーを25%控えて適正体重を保った犬が、自由に食べさせた犬より長生きするという結果が出ています。死亡年齢の中央値で見ると、太りぎみのグループが11.2歳、適正体重のグループが13.0歳と、約2歳もの差がありました。この肥満と寿命の関係を示す研究は、獣医による学術情報でも紹介されています。
2年という差は、犬の一生にとって決して小さくありません。肥満の期間が長いほど、糖尿病などの病気を長く患うことになり、体への負担も積み重なっていきます。公的な獣医師会も肥満が寿命を縮めるリスクについて注意を呼びかけています。
適量を守ることの重要性
ここで強調しておきたいのは、「おやつ=悪」ではないということです。寿命を縮めるのはおやつそのものではなく、あげすぎた結果としての肥満です。10%ルールを守り、体型を適正に保てているなら、おやつは愛犬との毎日を楽しくする心強い味方になります。
すでに太りぎみなら、無理のないダイエット方法で少しずつ適正体重に近づけていきましょう。大切なのは、ゼロにすることではなく、ちょうどよい量を続けることです。
ついおやつをあげすぎてしまう飼い主さんへ
犬におやつをあげる人なら、一度は「これってあげすぎかも」と思った経験があるのではないでしょうか?でも、おやつをあげたくなるのは、愛犬を大切に思う気持ちの裏返しです。ここでは、量をコントロールするコツをお伝えします。
おやつ以外のご褒美も活用する
「楽しみを奪うのはかわいそう」と思う飼い主さんもいるでしょう。けれど、犬にとってのご褒美は食べ物だけではありません。なでてもらうこと、名前を呼ばれること、一緒に遊ぶこと、そのどれもが立派なご褒美になります。おねだりに負けそうになったら、まずはスキンシップを差し出してみてください。食卓で人の食べ物を欲しがって困っているなら、犬が人の食べ物を欲しがる理由と対処法が参考になります。
退屈からくるおねだりには、フードを詰められる知育おもちゃも効果的です。遊びながら時間をかけて食べれば、少ない量でも満足感は長続きします。また、散歩のコースを変えたり、室内で遊んだりして運動不足を解消すれば、おやつに頼らない喜びも増やせます。食べ物以外の関わりが増えるほど、おやつの出番は自然と減っていくはずです。
家族でルールをそろえる
意外と見落としがちなのが、家族間での足並みです。お母さんが我慢させていても、お父さんがこっそり与えていては、せっかくの管理も水のあわになります。「1日にあげる量はここまで」「人の食事は分けない」など、家族で共通のルールを決めておきましょう。
だれが対応しても同じになることで、犬も混乱せずにすみます。冷蔵庫の前で待たせない、食卓に近づけないといった小さな工夫も効いてきます。
太らせないおやつの選び方と与え方
毎日のおやつタイムを健康的に続けるための工夫を紹介します。選び方と与え方を少し意識するだけで、同じおやつでも体への負担はぐっと変わります。
低カロリー・小さく分けられるおやつを選ぶ
おやつを選ぶときは、カロリー表示を確認する習慣をつけましょう。同じ満足感なら、低カロリーのものほど量を確保できます。小さくちぎれるタイプや、もともと一粒が小さいものは、回数を分けたいときに便利です。
水分の少ないドライフルーツのようなおやつは、見た目が小さくてもカロリーが高い場合があるので気をつけてください。おやつに偏ると主食を食べなくなり、おやつしか食べない状態は栄養の偏りを招きます。歯みがきガムも健康のためとはいえ、積み重なれば肥満の一因になりますので、カロリーは気にかけておきましょう。
小さくちぎる・与える時間を決める
犬はほとんど噛まずに飲み込むため、大きくても小さくても食べる喜びは大きく変わりません。だからこそ、1粒は思い切って小さくちぎるのがおすすめです。与える時間をなんとなくにせず、「散歩のあと」「しつけが成功したとき」と決めておくと、だらだら与えを防げます。
タイミングを決めることは、犬の生活リズムを整えることにもつながります。普段のフードの一部を取り分けておやつ代わりに使えば、栄養バランスを保ちながらカロリーを抑えられます。
愛犬が与えすぎ状態か確かめる方法
確かめる手がかりになるのが、体を触ってわかる体型チェックです。背中側から肋骨にそっと触れて、薄い脂肪ごしに骨を感じられるくらいが理想とされています。骨がまったく触れないようなら、少し太りぎみかもしれません。獣医療ではボディ・コンディション・スコアによる肥満度の確認が使われ、5段階の真ん中の3が標準とされています。
月に1回は体重をはかり、急な増減がないか見ておくと安心でしょう。判断に迷うときや、肥満が気になるときは、動物病院で相談するのが確実です。
あげすぎ防止と満足感に繋がる知育おもちゃ【IDOG&ICAT】
おやつの量を抑えながら満足感を保つには、与え方の工夫が欠かせません。ここでは、おやつやフードを使って遊べる知育おもちゃを紹介します。
おやつを詰めて宝探しを楽しめるおにぎり型の知育トイ
底面のポケットにおやつやフードを少量入れておくと、愛犬が鼻と頭を使って探しながら、時間をかけて食べられます。同じ量でも満足度が高まるので、早食いやおねだり対策にもつながります。鳴き笛入りで、中身がないときもしっかり遊べる一品です。
おやつを隠して掘り出す芋掘りタイプの知育おもちゃ
さつまいもを掘り出すように、おやつやフードを隠して探させて遊べる布製の知育おもちゃです。鼻を使ってじっくり探すぶん、少しの量でも満足感が長続きし、早食いやおねだり対策に役立ちます。留守番中の退屈しのぎにもなり、おやつに頼りすぎない時間をつくれます。
まとめ
犬のおやつの量は、1日の総カロリーの10%以内が基本の目安です。おやつを足したらその分ごはんを減らし、回数を増やすときは1粒を小さくするのがコツでした。あげすぎが肥満を通じて病気や寿命に関わるのは事実ですが、適量さえ守れば、おやつは愛犬との時間を豊かにしてくれます。今日から少しずつ、無理のない付き合い方を続けていきましょう。
犬のおやつに関するよくある質問
犬におやつをあげすぎるとどうなる?
あげすぎると摂取カロリーが過剰になり、肥満につながります。肥満は糖尿病や関節炎、心臓や呼吸器の病気など、さまざまな不調のリスクを高めます。おやつは1日の総カロリーの10%以内にとどめ、その分だけ主食を減らして調整しましょう。
犬のおやつは1日何回与えればいいですか?
1日の上限カロリーの範囲内であれば、2〜3回に分けて与えるのがおすすめです。犬は量より「もらえた回数」に喜びを感じやすいため、1回分を小さくして回数を分けると、少ないカロリーでも満足してくれます。
犬に毎日おやつをあげても大丈夫?
毎日あげても問題ありません。大切なのは頻度よりも1日の総量です。10%の範囲を守り、その分ごはんを減らして体型を保てていれば、毎日のおやつは愛犬との楽しいひとときになります。
犬におやつを与える量は1日何グラムが目安ですか?
グラム数はおやつのカロリーによって変わるため、一律には決められません。まず1日に必要なカロリーの10%を計算し、その数値をおやつのカロリー表示で割って求めます。たとえば上限が37kcalで、100gあたり300kcalのおやつなら、目安はおよそ12gです。
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